成長痛の月

内容紹介

川柳アンソロジー『はじめまして現代川柳』（小池正博編、2020 年、書肆侃侃房）収録作家による待望の初句集！
妖しい笑いと情感あふれる機知に満ちた、自在な 248 句。

収録句より

紙風船うすずみいろの（来て）をいう
夜を一枚めくる二軒目
ある日来た痛み　初歩だよワトスン君
対岸のささやき vs つぶやき
年明ける首絞め【チョーク】を防御したままで
Re: がつづく奥に埋もれている遺体
毎度おなじみ主体交換でございます
団欒の欒に巣作りする燕
渦でしょうか楳図かずおでしょうか
くちびるは天地をむすぶ雲かしら

推薦文

確かにこの世のことのようで、でもなんだかそんなことはどうでもよいように思えてくる。
永遠の興味津々と平熱の茶目っ気が句の中に閉じ込められた。

――東直子

目次

みず
少年たちの九十九折
芽キャベツの乱
未明のパーツ
スクールデイズ
猿の星
句意を刈り取れ／レトリカを行く
世界の水平線
シニフィアン・シニフィエ
一銭一句物語

あとがき

著者プロフィール

飯島 章友（いいじま あきとも）
1971 年、東京都生まれ。
現在、柳誌「川柳スパイラル」「川柳雑誌風」に参加。2020 年、川柳アンソロジー『はじめまして現代川柳』（小池正博編著、書肆侃侃房）に参加。
短歌では歌誌「かばん」に参加。2010 年、第 25 回短歌現代新人賞受賞。